検索エンジンやSNSの関連ワードを見ていると、時折浮上するのが「江別蔦屋書店 閉店」という不穏な言説です。「お気に入りの場所が本当になくなってしまうのか」と不安を抱く地元住民も少なくありません。しかし、結論から言えば「江別蔦屋書店そのものが閉店する」という事実は一切ありません。
では、なぜこのような噂が一人歩きしてしまったのか。取材を進めると、主に2つの明確な要因が浮かび上がってきます。
第1の要因は、館内テナントの定期的なリニューアルとポップアップショップの入れ替わりです。江別蔦屋書店では、常に訪れる顧客へ新鮮な刺激を提供するため、期間限定ショップ(POP UP SHOP)の展開や不定期なテナントの契約満了に伴う店舗交代を積極的に行っています。特定の飲食店やアパレル店舗の退去告知を見た一部の利用者が、「蔦屋書店全体が閉鎖されるのではないか」と誤認し、SNS等で断片的な情報が拡散された経緯があります。
第2の要因は、全国的なTSUTAYA店舗網の構造改革ニュースとの混同です。近年、親会社であるカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)は、映像・音楽の旧来型レンタル事業を中心に全国のFC店舗の整理・縮小を進めています。大手メディアで「TSUTAYAの大量閉店」が報じられるたびに、大型複合施設である「蔦屋書店」業態と従来の街角レンタル店舗とが混同され、風評被害的に江別店への憶測を生んでしまった構造が透けて見えます。
実際の現場では、2026年秋の「桃と無花果のシロップ調香」ワークショップや、自然環境文学の著者による大型トークライブ企画など、知的・文化的な自主企画イベントが活発に開催されており、地域の文化的インフラとしての生命力は些かも衰えていません。