てんとう虫コミックス第17巻に収録されている「バイバイン」は、ドラえもんのエピソード群の中でも特異な存在感を放っています。のび太が「大好物の栗まんじゅうを1個食べてしまえば無くなるが、何個も食べたい」という素朴な欲望を口にしたことから、悲劇の歯車が回り始めました。
ドラえもんがポケットから取り出したひみつ道具「バイバイン」は、液体を1滴垂らすと「5分ごとに数が2倍になる」という極めてシンプルな効力を持つ薬です。ただし、この道具には「残さずに全部食べ切らなければならない」という絶対のルールが存在していました。
のび太は増えていく栗まんじゅうを堪能するものの、次第にお腹がいっぱいになり、最後の手のひらサイズの1個を残してゴミ箱へ隠してしまいます。異変に気付いたドラえもんが血相を変えてゴミ箱を確認したときには、すでに常人の胃袋では処理しきれない数に膨れ上がっていました。ジャイアンやスネ夫、しずかちゃんらを招集して強制的に食べさせようと試みるも限界を迎え、2人は取り返しのつかない現実へと直面することになります。