手に取ると、ずっしりとした重みが手のひらに伝わる。表面にまぶされた打ち粉の奥から、黒々とした大粒の赤えんどう豆が覗く。薄い餅の皮は驚くほど柔らかく、指先が吸い付くようだ。
ひと口頬張る。薄皮の餅がすっと切れ、中からみっちりと詰まった粒餡が溢れ出す。瞬時に広がるのは、豊かな小豆の風味とキリッとした塩の輪郭。甘ったるさは微塵もない。赤えんどう豆のしっかりとした歯ごたえが絶妙なリズムを生み、噛むごとに甘みと塩味が交互に押し寄せる。
賞味期限は当日限り。夕方を過ぎると餅は少しずつ締まり始めるが、それこそが本物の餅である証拠だ。もし固くなってしまったら、オーブントースターで表面を軽く炙ると香ばしさが立ちのぼり、また別の至福が訪れる。一切の妥協を排して作られるこの一個には、東京の菓子文化が誇る粋と職人の誇りが凝縮されている。 (出典: 松島屋 豆 大福(Yahoo!ニュース))
詳細を見る詳細を見る詳細を見る