「無理にピンセットや指で掻き出そうとするのは、絶対にやめてください」。現場で日々多くの患者と向き合う皮膚科専門医は、開口一番そう警鐘を鳴らす。へその底の皮膚は他の部位に比べて極めて薄く、毛細血管や神経が表面近くに通っているためだ。
へそのごまの主成分は、剥がれ落ちた古くなった角質、皮脂、そして服の繊維くずなどが混ざり合ったもの。それ自体は即座に危険を及ぼすものではないが、強引に取り除こうとして傷をつけると、黄色ブドウ球菌などの細菌感染を引き起こし、激しい痛みを伴う臍炎(さいえん)や腹膜炎へと悪化する恐れがある。自己流の乱暴な手入れは、百害あって一利なしと言える。