窒素(N₂)を得るアプローチは、大きく分けて「空気から物理的に分離・濃縮する方法」と「化学反応によって合成する方法」の2系統が存在します。産業界で消費される窒素の99%以上は前者の空気分離によって賄われていますが、基礎研究や教育現場では後者の化学的手法が用いられます。
大規模プラントで使われる深冷分離法の原理は、空気を圧縮・冷却して液体(マイナス200℃付近)にし、各成分の沸点の差(窒素:約-196℃、酸素:約-183℃、アルゴン:約-186℃)を利用して蒸留分離する技術です。これにより、半導体プロセスなどで要求される純度99.9999%(6N)以上の超高純度窒素ガスを大量製造することが可能になります。
一方、中小型の工場や研究所で主力となっているのが、常温の空気から直接窒素を取り出すオンサイト型の発生装置です。大気中の酸素を吸着剤で捕捉するPSA方式や、ガス透過膜の速度差を利用する膜分離方式など、圧縮空気(コンプレッサーエアー)さえあればその場で瞬時に窒素を取り出せる技術が定着しています。