ストームグラスの歴史を紐解くと、名誉ある海洋探検の黄金期へと突き当たる。かつてイギリス海軍の艦長であり、後にイギリス気象庁の初代長官を務めた元帥ロバート・フィッツロイこそが、この気象予報器を普及させた中心人物だ。
彼はあの大冒険で知られるビーグル号航海記の舞台となった航海において、ストームグラスを船上に持ち込み、暴風雨の接近を事前に察知する試みを重ねた。若き日のチャールズ・ダーウィンもまた、同じ船上でこの不思議な瓶を興味深く観察していたと伝えられている。近代的な気象学が確立する以前、荒れ狂う大海原で命を預ける道具として、この結晶は船乗りたちの頼みの綱だったのだ。