この歪んだ自尊心が招く悲惨な結末は、長年フィクションやドキュメンタリーの世界でも繰り返されるテーマとなってきた。その代表例が、サイコスリラーの金字塔として知られる映画『アメリカン・サイコ』だ。完璧なスーツを纏い、名刺のフォント一つに異様な執着を見せる主人公パトリック・ベイトマンの姿は、肥大化した自己像を守るために内面が狂気へと崩壊していくプロセスを強烈に描き出した。
映像コンテンツの多様化に伴い、視聴者の視線はよりリアルな病理へと向けられている。NetflixやHBOといった世界的なストリーミングサービスでヒットを記録する心理ドキュメンタリー番組群では、実在する自己愛的な詐欺師やカルト指導者の興亡が克明に記録されている。スクリーンに映し出される彼らの末路は驚くほど共通している。どれほど巧みに他者を欺き、一時的な栄華を極めたとしても、最終的には信用を完全に失い、誰からも振り返られない惨めな孤立の中に残されるのだ。