情報の消費スピードが極限まで加速した2026年現在、ショート動画は若者世代の主要な情報源だ。15秒の動画で複雑な文脈が伝わるはずもない。件の脳科学者の発言も、本来は「栄養バランスと午前中の認知パフォーマンスの関係」を論じた学術的な文脈だった。しかし、刺激的な部分だけがトリミングされ、アルゴリズムの波に乗った結果、文脈は完全に剥ぎ取られた。残ったのは、キャッチーで攻撃的なフレーズだけだ。
人々は複雑な議論を嫌う。白か黒か、敵か味方か。記号化されたレッテルは、考える労力を省いてくれる便利な道具だ。こうして、ネット上の論争相手を直感的に見下すための言葉として、このフレーズが都合よく消費されることになった。