東京や大阪といった都市部における住宅面積のコンパクト化は、とどまることを知らない。地価の高騰と建築資材の価格上昇が背景にあり、限られた床面積(フロアスペース)をいかに広く見せるかがインテリアデザインの至上命題となった。そこでスポットライトが当たったのが、これまで見落とされがちだった「垂直の空間」、つまり壁だ。
床に棚をひとつ置くだけで、部屋の動線は狭まり、圧迫感が生まれる。一方で、視線が集まる壁面にスマートな収納を設ければ、足元のスペースはまるまる解放される。この物理的な解放感が、現代人のストレス軽減に一役買っているという住環境心理学の指摘もあるほどだ。