テレビ朝日の看板シリーズとして20年以上にわたり親しまれている『マグロに賭けた男たち』。この番組の魂とも言える存在が、青森県大間町の一本釣り漁師・山本秀勝氏だ。型落ちの漁船と幾度となく故障する魚群探知機を抱え、マグロの群れを求めて一人海へ出続ける彼の姿は、日本中の視聴者の胸を締め付け、そして熱くさせてきた。
釣れない日々が何十日も続き、燃料代ばかりが嵩んでいく絶望。愛猫に癒やされながらカップ麺をすする静かな夜。それでも仕掛けを作り直し、極寒の海へと舵を切る。息子たちと共に荒波を乗り越え、巨大マグロとの死闘の果てに獲物を仕留めた瞬間の咆哮は、テレビ史に残る名場面として語り継がれている。山本氏の生き様は、成功の華やかさだけではなく、挫折と孤独に耐え抜く人間の尊厳を余すところなく描き出している。