今回の事案において、京都府警察本部は初期段階からサイバー捜査や鑑識の専門官を投入する異例の態勢を敷いた。物理的な捜索活動と並行して進められたのが、デジタルフォレンジックによる電磁的記録の復元と解析だ。
ドラレコに上書きや消去の痕跡がなかったか、GPSログに不自然な途切れがないかを厳密に鑑定。さらに、スマートフォンの基地局通信履歴や各種アプリの位置情報データ解析を重ね合わせ、車両の正確な移動軌跡を1秒単位で再構築した。
「目撃証言は主観に左右されるが、機器が刻んだタイムスタンプは嘘をつかない」。捜査幹部はそう語る。最先端の解析技術によって、車載カメラが捉えた風景の反射光やガラスの映り込みまでもが高解像度で復元され、当時のリアルな状況が明るみに出つつある。