養育にあたってどの程度の費用がかかるのかは、検討する家庭にとって最も切実な懸念事項の一つと言える。
里親制度を利用する場合、養育に必要な経費の多くは公費から支給される。毎月の里親手当のほか、子どもの生活費、教育費、医療費などが行政から手厚く補填されるため、養親側の自己負担はほとんど生じない。子どもの権利を守るための公的サポート体制が整っているのが大きな特徴だ。
対して特別養子縁組の場合、手続きを民間あっせん機関経由で行うか、児童相談所経由で行うかで費用が大きく変化する。児童相談所を介する場合は申立てに関する実費程度で済むが、民間機関を利用する場合は渡航費や研修費、機関の運営協力金などとして数百万円規模の負担が発生するケースもある。
全国児童養護施設協議会などの関係団体も、経済的なハードルが原因で家庭養育の機会が失われないよう、情報提供と支援体制の拡充に注力している。