2001年4月、音楽界を激震が走った。肝臓疾患のため、わずか44歳という若さで急逝した河島英五。あまりにも早すぎる訃報に、日本中が深い悲しみに包まれた。しかし、その最期に至るまで病魔と戦う夫の傍らには、絶えず牧子さんの姿があった。
体調の変調を感じながらも、ステージに立ち続けようとする夫の情熱を誰よりも尊重した牧子さん。激しい痛みや不安に苛まれる夫の手を握り締め、最期の一瞬まで「歌い手・河島英五」としての誇りを守り抜いた。過酷な闘病の末の別れ。深い喪失感に襲われながらも、彼女は夫が遺した楽曲とメッセージ、そして幼い子供たちを守る決意を固める。
「英五さんの生きた証を、歌を愛してくれた人々に届け続ける」――その揺るぎない覚悟こそが、悲しみの淵から牧子さんを立ち上がらせた原動力であった。