紙のサイズ一覧とMm寸法完全網羅!A版B版の違いと白銀比の真相

紙のサイズ一覧とMm寸法完全網羅!A版B版の違いと白銀比の真相

紙のサイズ一覧とMm寸法完全網羅!A版B版の違いと白銀比の真相に関する最新の話題を丁寧に解説いたします。

「なぜ紙の短辺と長辺は、中途半端な割り切れない端数になっているのか?」という疑問を持ったことはないでしょうか。A4が200×300mmのようなキリの良い数字になっていない理由は、幾何学的な必然性にあります。

紙のサイズを決定づけているのは、「短辺:長辺 = 1 : √2(約1 : 1.414)」という幾何学的比率です。この比率を持つ長方形は、長辺の中点を結んで半分に切断しても、現れた2つの長方形が元の長方形と完全に同じ縦横比(相似)を保ちます。

仮にアスペクト比「1 : 1.5(3 : 2)」の紙を半分に折ると「1 : 1.333(4 : 3)」になり、縦横のバランスが崩れてしまいます。しかし「1 : √2」であれば、A0を半分にすればA1、A1を半分にすればA2と、無限に分割を繰り返してもプロポーションが一切変わりません。書籍の判型変更やポスターの縮小レイアウトを行う際、レイアウトの縦横比を崩さずにそのまま拡大・縮小できるだけでなく、製紙工場で大きな原紙から製品を裁断する際に余分な端切れ(裁断ゴミ)が全く出ないという圧倒的な省資源メリットが存在します。

この「1 : √2」の比率は、日本古来の大工道具である曲尺(かねじゃく)の裏目にも刻まれ、法隆寺の五重塔の平面設計や仏像彫刻のプロポーションにも見られることから、国内では古くから「白銀比(大和比)」と呼ばれてきました。西洋で珍重された黄金比(1 : 1.618)が「均整のとれた神聖な美」を象徴したのに対し、白銀比は「実用的で美しい日本の伝統美」として親しまれてきた背景があります。

しかし、現代のA判が採用している白銀比は、日本の伝統文化を輸入したものではありません。20世紀初頭のドイツにおいて、ノーベル化学賞受賞者である物理化学者ヴィルヘルム・オストヴァルトらが提唱した「世界規格(Welfformat)」の思想を基に、工業規格DIN 476として1922年に体系化された数学的・工業的アプローチの産物です。合理性を追求したドイツの近代工業設計思想と、日本の伝統的な美意識が、偶然にも「1 : √2」という美しい数理的特異点において合流を果たしたのです。

中村 さくら
著者

中村 さくら

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。