日本のサッカーファンにとって、パラグアイ代表という名は特別な感情を呼び起こす響きを持っています。これまでのパラグアイ代表と日本代表の対戦成績を振り返ると、通算では日本の5勝4分2敗(親善試合含む)と日本側が勝ち越しているように見えます。しかし、真の勝負が問われた公式戦での記憶は、いまなお日本サッカー界の歴史に深く刻まれています。
その最たる例が、2010年FIFAワールドカップ南アフリカ大会のラウンド16です。岡田武史監督率いる日本代表は、ベスト8進出をかけてプレトリアのロフタス・ヴァースフェルド・スタジアムでパラグアイと激突。極限の緊張感のなか、120分間を戦って0対0のスコアレスドロー。もつれ込んだPK戦において、パラグアイは5人全員が成功させたのに対し、日本の3人目・駒野友一のキックが無情にもクロスバーを直撃。3対5で敗れ去り、日本代表の悲願であった初のW杯ベスト8の夢は、パラグアイの鉄壁の前に打ち砕かれました。
近年の記憶として、2024年パリ五輪のグループステージ初戦でU-23日本代表がU-23パラグアイ代表を5対0で粉砕した試合を思い出すファンも多いかもしれません。しかし、日本の取材陣やサッカー関係者が口を揃えるように、「あの結果をそのままA代表に当てはめるのは致命的な誤り」です。五輪世代のパラグアイは序盤の退場劇で自滅しましたが、現在のフル代表は海千山千のベテランと欧州トップリーグで揉まれた主力で構成されており、試合巧者ぶりは全くの別物です。
もし2026年北中米W杯の決勝トーナメントで日本とパラグアイが再び相まみえることになれば、南アフリカの再現とも言うべき息詰まる肉弾戦と神経戦になることは避けられません。