「一体なぜこれほど長期間にわたって閉鎖されたままなのか」という疑問は尽きません。発端は2020年夏の新型コロナウイルス感染症拡大防止に伴う臨時休業でしたが、それが営業再開に至らなかった決定的なレインボープール閉鎖理由は、水面下に隠されていたインフラ設備の致命的な老朽化です。
開園から35年以上が経過していたレインボープールでは、地下に張り巡らされた巨大な循環ろ過用配管の腐食、送水ポンプの故障、プール躯体コンクリートの中性化による漏水リスクが深刻化していました。安全基準を満たして営業を再開するためには、単なる表面塗装の塗り替えや部分補修ではなく、地下設備を掘り起こして全面的に更新する抜本的な大改修が不可欠だったのです。
さらに立ちはだかったのが、公的資金運用の壁です。国営公園の施設改修には国の予算が投入されますが、稼働期間が夏場のわずか2カ月足らずに限られる施設に対し、数十億円に上る税金を投じることへの費用対効果が厳格に問われました。近年の猛暑による日中屋外プールの利用制限リスクや、近隣の民間アミューズメント施設との競合も重なり、巨額投資を正当化する合意形成が極めて難航したことが、長期閉鎖の真の引き金となりました。