外部から見ると完璧に見える必由館高校ですが、現場取材からは見過ごされがちな構造的課題も浮かび上がってきます。最大の盲点は、「入学後の学力層の乖離(学力格差)」です。
必由館高校には、済々黌高校や第二高校といった県立トップ層を惜しくも不合格となり後期一般で入学してきた学力上位層と、特色選抜や推薦で早期に進路を決めた生徒、さらにはコース別の生徒が混在します。このため、入学直後の段階で基礎学力と学習意欲に大きな開きが生じやすい傾向にあります。
教育関係者によると、上位30%程度の生徒は1年次から自律的に予備校や自習時間を確保し、難関国公立大学を視野に入れた受験態勢を構築しています。しかし、中位から下位の生徒の中には、校舎の綺麗さや充実した学校行事の楽しさに流され、気がついたときには一般選抜での国公立受験が厳しくなっているケースが散見されます。
「学校の手厚い補習や課題に頼りきりになるのではなく、自ら高い志を保てるかどうか」が、3年後の進路を劇的に二分します。「必由館に入学すれば自動的に国公立大学に行ける」という受動的な期待を抱くことは、極めてリスクの高い誤解であると認識すべきです。