社会を震撼させたのは、凄惨極まる手口のみならず、実行犯がすべて10代の少年少女で構成されていた点でした。名古屋アベック殺人事件の主犯格とされた当時19歳の少年Aをはじめ、グループの少年たちの多くは家庭環境の不和や早期の学業離脱、非行集団への出入りといった共通項を抱えていました。
主犯の少年Aは、幼少期から規範意識を育む機会に乏しく、暴力による自己主張を繰り返す生活を送っていました。しかし、個々の資質以上に凶行を加速させたのは、閉鎖的な不良グループ内で働く「過激化への同調圧力」でした。グループ内での序列維持や臆病者と見なされることへの恐怖が、歯止めの利かないエスカレーションを生み出しました。
誰かが暴行を始めると、他のメンバーも自らの忠誠を示すかのようにさらに過酷な加害に手を染める。後戻りができない状況を自ら作り出し、最終的な殺害決断に至る心理プロセスは、集団少年犯罪が持つ最も恐ろしい側面を如実に表していました。