GoogleやYahoo!で検索すると、サジェスト欄に「一福食堂 閉店」というワードが表示され、不安を覚える読者も少なくありません。しかし、閉店の噂と真相を多角的に調査すると、そこにはネット検索特有の3つの盲点と誤解が存在することがわかります。
第1の要因は、「全国に点在する同名の『一福食堂』との情報混同」です。「一福(いっぷく)」という屋号は縁起が良く、北海道から九州(福島、栃木、埼玉、山梨、岡山、福岡、熊本・阿蘇など)まで全国各地に同名の老舗食堂やうどん店が存在します。そのうちの一部の地域店舗が店主の高齢化や区画整理によって暖簾を下ろした際、「一福食堂が閉店した」という主語の大きなSNS投稿が拡散され、現在も元気に営業している別地域の店舗まで閉店したかのように誤認される現象が起きています。
第2の要因は、「喜多方ラーメンの有名食堂の閉店ニュースとの記憶違い」です。2023年秋に喜多方ラーメンの象徴的存在であった「まこと食堂」が閉店し、さらに「あべ食堂」なども相次いで歴史に幕を下ろした際、多くのメディアが「老舗食堂の閉店」を大きく報じました。この一連のニュースを見たユーザーが、「〇〇食堂」という名称の記憶から「一福食堂も閉店したのでは?」と検索行動を起こしたことが、検索ボリューム急増の引き金となっています。
第3の要因は、「店主の体調ケアや設備メンテナンスによる一時休業」です。長年使い込まれた厨房機器の入れ替えや、70代・80代を迎える店主夫妻の通院・静養のために数週間ほどシャッターを閉めた際、公式SNSを持たないアナログ経営ゆえに、通りがかりの人が「もしかして閉店?」とX(旧Twitter)やGoogleマップの口コミに書き込んでしまうケースが後を絶ちません。