外見が酸化して黒ずんでいる古い配管やバルブは、一見しただけではプロでも識別が困難です。しかし、物理的・化学的特性を利用した「真鍮砲金見分け方」の手順を踏めば、誰でも確実に判別できます。
最も確実な手法は、表面の酸化皮膜をヤスリやサンダーで削り落とし、金属生地の色を確認するアプローチです。真鍮の削り面は鮮やかな「黄金色(レモンイエロー)」を呈するのに対し、砲金は銅の含有量が多いため「赤みを帯びた褐色(赤金色・サーモンピンク系)」に輝きます。
次に有効なのが、手持ち感による密度の判定です。真鍮比重と硬度比較を行うと、一般的な真鍮(C3604)の比重が約8.4〜8.5であるのに対し、錫や鉛を豊富に含む砲金(CAC406)の比重は約8.7〜8.8に達します。同一サイズの部品を持ち比べた際、手のひらにズシりと明確な重量感を感じる方が砲金です。
また、砲金磁性と真鍮磁性の確認も欠かせません。基本的に両者とも非鉄金属であるため「磁石には全く反応しない(非磁性)」のが正常です。もし磁石が強く吸い付く場合は、砲金や真鍮ではなく「鉄に真鍮メッキを施した安価な製品」であると瞬時に見破ることができます。内部に鉄芯が入っている複合バルブなどの混入防止にも、マグネットテストは極めて有効な初期スクリーニング手段です。