「花はたくさん咲いたのに、小さな実がすべてポロポロと落ちてしまった」という失敗談は非常に多く寄せられます。マンザニロの実がならない背景には、植物生理に基づいた明確な理由が存在します。
最大の要因は、オリーブ全般に見られる自家不結実性(じかふけつじつせい)の強さです。マンザニロは自身の花粉では受精しにくい性質が際立っており、単体で育てている限り、どれだけ日当たりや水やりを徹底しても結実には至りません。
その他にも、収穫を阻む主な要因として以下の4点が挙げられます。
- 苗木が若すぎる:挿し木苗や小さな苗木の場合、開花・結実する体力が備わるまでに植え付け後約3〜4年の歳月が必要です。
- 冬の低温に当たっていない:オリーブは冬の間に7℃以下の低温に約20日以上さらされることで花芽を形成します。冬場に暖かい室内へ取り込んでしまうと、春になっても花芽がつきません。
- 前年の剪定ミス:オリーブは「前年に新しく伸びた枝」に翌年の花芽をつけます。冬から春にかけて枝先をむやみに切り詰めてしまうと、花芽ごと切り落とす結果になります。
- 日照不足と過湿:日光を好む地中海性の植物であるため、日陰や水はけの悪い土壌では木自体が弱り、花を咲かせるエネルギーが不足します。
実を確実に収穫するためには、適切な環境づくりと受粉相手の存在が必須条件となります。