尾州ウールの歴史は古い。しかし、いま現地で紡がれているのは過去の栄光ではなく、未来の服飾資材だ。地元の老舗織物メーカー群は、AIを用いたデザイン分析と高精度な自動織機を融合させ、廃棄ロスを極限までゼロに近づける「スマートテキスタイル」の量産体制を確立させた。
さらに注視すべきは、植物由来のバイオマス繊維やリサイクルウールを用いた次世代素材の開発だ。パリやミラノのトップブランドから直接オファーが舞い込む工房も珍しくない。「ただの素材供給地から、世界水準のエコイノベーション拠点へ」。若手織工たちの目は、明確にグローバル市場を見据えている。