「ぎょう虫は小さな子どもの病気」という先入観は禁物です。子どもが保育施設や学校で卵を持ち帰り、無自覚のまま同居する親や高齢者へ感染を広げるケースが頻発しています。
成人が感染した場合、主に次のような症状が現れます。
- 肛門周囲の激しい夜間掻痒感:日中はほとんど気にならないものの、布団に入って体が温まると急激にかゆみが襲ってくる。
- 睡眠障害と集中力低下:かゆみによる中途覚醒が続き、慢性的な不眠や日中の強い倦怠感、イライラ感が生じる。
- 女性特有の合併症(外陰部炎・膣炎):這い出した虫体が尿道や膣内へ迷入し、かゆみや帯下(おりもの)の増加、排尿時痛を引き起こす。
- 皮膚の二次感染:無意識に激しく掻き壊すことで肛門周辺がただれ、細菌感染を併発して湿疹化する。
SNSや健康相談プラットフォームなどの実体験をリサーチすると、大人の感染がいかに見落とされやすいかが浮き彫りになります。
「数週間にわたり夜中だけお尻が狂うほどかゆく、痔の市販軟膏を塗り続けていたが全く治らなかった。ある夜、スマホのライトで鏡を見たら白い糸のようなものが動いていて凍りついた」(30代女性・会社員)
「子どもの夜泣きとお尻かきがひどく、念のため家族全員で調べたら自分も感染していた。大人は無症状で経過することもあると聞き、知らない間に自分が感染源になっていたかと思うとゾッとした」(40代男性・公務員)
成人の場合、痔核(いぼ痔・きれ痔)や肛門湿疹、真菌感染(カンジダ等)と勘違いして皮膚科や肛門科を転々とするケースが後を絶ちません。「夜間に限って皮膚表面がむずがゆく這うような感覚がある」場合は、ぎょう虫の可能性を疑う必要があります。