髭を綺麗さっぱり無くせば、青髭が解消されて若々しく爽やかになる――そう信じ込んで脱毛に踏み切る人が大半です。しかし実態調査を進めると、「脱毛したら逆に老けて見えるようになった」という奇妙な苦情に直面します。この髭脱毛老けて見える真相には、顔の骨格と加齢に伴う視覚的・解剖学的なメカニズムが隠されています。
第一の要因は、顔の下半分における「中顔面の余白問題」です。髭は無意識のうちにフェイスラインを立体的に見せ、鼻と上唇の間にある溝(人中)の間延びをカモフラージュする役割を果たしています。ところが髭を完全になくしてツルツルにすると、鼻の下の余白が強調され、視覚的に「人中が伸びた」ように知覚されます。加齢とともに顔の筋肉や皮膚が下垂すると人中は自然と伸びて見えますが、髭を失ったことでその老化現象が剥き出しになり、結果として間抜けで老けた印象を与えてしまうのです。
第二の要因は、フェイスラインの引き締め効果(シェーディング効果)の消失です。男性の髭や薄い剃り跡は、顎の輪郭に自然な陰影をもたらし、エラや顎のたるみを目立たなくする効果を持っています。脱毛によって肌が均一に明るくなることで陰影が消滅し、二重顎や頬のたるみがストレートに強調されてしまうケースが存在します。特に30代後半以降で肌のハリが低下している男性が完全脱毛を行った場合、「若返るどころか、輪郭がぼやけてたるんだおじさん顔になってしまった」という落とし穴に陥りやすいのです。