香川県観音寺市周辺には、大手総合スーパーや地場老舗チェーン、格安ドラッグストアが複数競合しています。その激戦区において、新鮮市場きむら観音寺店が一人勝ちとも言える求心力を維持している最大の要因は、店内に入った瞬間に肌で感じる「まるで地方卸売市場に迷い込んだかのような熱気とライブ感」にあります。
一般的な近代型スーパーマーケットは、バックヤードで規格通りに切り分けられたトレー入り精肉・鮮魚を整然と並べる「無機質な陳列」が主流です。しかし、きむらの売り場は根本から思想が異なります。鮮魚売り場の中央には、瀬戸内海をはじめ全国の漁港から直送された丸魚が氷の上にずらりと並び、威勢のいいスタッフの声が響き渡ります。「今日入ったばかりの鯛、三枚におろそうか?」「煮付け用なら頭も割っておくよ」といった対面コミュニケーションが当たり前のように交わされているのです。
流通アナリストの取材によると、きむらが提供しているのは単なる「食材の購入場所」ではなく、「買い出しそのものがエンターテインメント化された市場体験」です。規格化・効率化を極限まで進めたメガチェーンに食傷気味だった消費者が、この圧倒的な鮮度感と人間の温もりを感じる売り場に強烈に引き寄せられていることが、大盛況を生み出す決定的な原動力となっています。