掲載形態の変更を余儀なくされた最大の要因は、冨樫義博氏を長年苦しめ続けている重度の腰痛と坐骨神経痛にあります。その壮絶な闘病実態は、画業35周年を記念して開催された『冨樫義博展 -PUZZLE-』の公式図録および直筆メッセージで赤裸々に告白されました。
手記の中で冨樫氏は、「一時期は椅子に座ることすらできず、寝たきりの状態で床に這いつくばりながらクッションを挟んで原稿を描いていた」「お尻を拭くポーズが取れず、排泄のたびにシャワーを浴びなければならなかった」という、日常生活すら崩壊しかけていた衝撃の苦痛を吐露しています。一般的な職業生活であれば完全休業を宣告されるレベルの身体的負荷を抱えながら、氏の創作意欲だけが途切れることなく燃え続けていたのです。
2022年5月に突如開設された冨樫義博公式X(旧Twitter)アカウントは、現在も漫画ファンにとって最も信頼できる一次情報の現場となっています。「〇月〇日、〇ページ目ペン入れ完了」といった日々の作業進捗が、下書きの隅に書かれたページ番号の写真とともに投稿されるたび、世界中から数十万件の反響が寄せられています。2024年以降も401話以降のネーム・ペン入れ・アシスタントへの作画指示が着々と積み上げられており、過酷な体調の波と向き合いながらも、ペンを置く意志が微塵もないことは日々の発信から証明されています。