SNSの美容コミュニティを観察すると、「ベージュのトレンチを着たら就活生のように疲れて見えた」「ヌードベージュのリップを塗ったら唇の色が消えて顔色が悪化した」という悲痛な声が後を絶ちません。この現象の背景には、皮膚の分光反射率と色彩調和論に基づく明確なメカニズムが存在します。
サマータイプの肌は、表皮が比較的薄く、毛細血管のヘモグロビン(赤色)と静脈血(青色)が透けて見えるため、わずかに青みを帯びた涼しげなピンク系の地肌を持つ傾向があります。一方、世間一般で流通しているクラシックなベージュは、黄赤(イエローベース)の染料をベースに調合されています。この黄み成分がブルベ夏の肌に反射すると、「補色の対比現象」と「色陰現象」が同時に発生。肌本来の青白い透明感が打ち消され、濁った黄色味が強調される「黄ぐすみ」が引き起こされるわけです。
さらに、明度と彩度のミスマッチも拍車をかけます。サマータイプが得意とするのは「高明度・中〜低彩度(ライト・ソフトトーン)」の領域です。キャメルやオークルベージュのような「中明度・中〜高彩度」の暖かみのあるベージュを配置すると、服やコスメの色だけが前に浮き立ち、肌の輪郭がぼやけてしまうのです。これが、いわゆるブルベ夏ベージュ似合わない理由の決定的な正体といえます。