セルフ修理には、技術的な難しさだけでなく、知っておくべき法制度と規約の壁が存在します。第一に挙げられるのが技適マーク無効化リスクです。
日本国内で使用されるスマートフォンは、電波法に基づく「技術基準適合証明(技適)」を受けています。電波を発する機器を無資格の個人が分解・改造した場合、法的には技適の効力が失われ、その端末で通信を行うと電波法第110条等の違反(1年以下の懲役又は100万円以下の罰金)に問われる恐れがあります。総務省の「登録修理業者制度」は、適切な手順と管理体制のもとで修理を行い、技適の適法性を担保するために作られた仕組みです。
第二に、メーカー公式保証対象外となる経緯です。AppleやGoogle、Samsungなどの主要メーカーは、非正規の分解痕やサードパーティ製パーツの混入が確認された端末に対して、以後のすべてのサポート・修理受付を拒絶(有償修理すら拒否)する規約を敷いています。自分で一度開けてしまった端末は、下取りや中古買取の現場でも「ジャンク品」扱いとなり、リセールバリューが激減します。