映画『高校教師』の強烈なインパクトは、彼女に「悲劇の美少女」「薄幸のヒロイン」という重いレッテルを貼ることになりました。そうした偶像化を自らの手で打破した転機が、1998年にスタートしたフジテレビ系バラエティ番組『笑う犬の生活』へのレギュラー出演です。
ウッチャンナンチャン、ネプチューンといった当代屈指の芸人たちに囲まれながら、彼女は白塗りや変顔、シュールなコント設定に一切躊躇することなく挑みました。名物コント「トシとサチ」などで見せた絶妙な間合いと、清楚な美貌を惜しげもなく崩すコメディセンスは、お茶の間に新鮮な驚きを与え、「遠山景織子ってこんなに親しみやすい人だったのか」という広範な支持を獲得することにつながります。
男性社会が一方的に押し付けがちな「性的なまなざし」や「神秘的な清純派像」に閉じこもることなく、等身大の人間味と表現の幅を自ら切り拓いたこの選択は、彼女の役者人生において極めて大きなターニングポイントとなりました。