全国の神社仏閣を巡る愛好家の実体験や寺社の授与所での現場証言を調査すると、手作り御朱印帳を出した際に「こちらにはお書き入れできません」と断られてしまうケースが存在します。その背景には、宗教的儀礼としての側面と、物理的な実務上の問題が絡み合っています。
記帳を断られる典型的な要因は主に以下の3点です。
1. 紙質が不適切で墨が滲む・裏抜けする
コピー用紙や安価な画用紙、薄手の書道半紙などは、書き手の毛筆の墨を吸い込みすぎて滲んだり、裏側のページまで墨汁が染み出したりします。次に書く寺社や裏面の揮毫に被害が及ぶため、書き手である神職や僧侶が執筆を辞退せざるを得なくなります。
2. 綴じ構造が不安定で記入中にページが分解する
糊付けが甘く、筆圧やページの展開に耐えられずにバラバラになってしまう構造の帳面は、大切な神仏の分身ともいえる御朱印を汚損する危険があるため敬遠されます。
3. ノート型やルーズリーフ型の形状
一般的なノートやスケッチブック、リング綴じの用紙は、伝統的な蛇腹折りや和綴じの「帳面」として認められない寺社があります。特に由緒ある大本山や本山級の寺院では、規格外の用紙への直書きを明確に不可としている場合が多いため注意が必要です。