1980年に結婚した布施明氏とオリビア・ハッセー氏は、わずか9年後の1989年にその結婚生活にピリオドを打ちました。当時、日本のワイドショーなどでは「生活拠点のすれ違い」「多忙による心の乖離」と騒ぎ立てられ、一部では「息子は父親と生き別れになったのではないか」「関係が冷え切っているのではないか」という根拠のない憶測が飛び交いました。
しかし、実際の証言や本人の語りを追っていくと、実態は全く異なることが浮き彫りになります。
離婚当時、布施氏は自らのキャリアの基盤である日本での歌手活動を疎かにできず、一方でオリビア氏はハリウッドの生活環境と子供たちの教育基盤を米国に置いていました。双方が協議を重ねた結果、息子の生活環境を第一に考え、親権はオリビア氏が持つ形を取りましたが、布施氏が父親としての責務や愛情を手放すことは決してありませんでした。
布施氏は過去のテレビ特番や雑誌インタビューにおいて、アメリカへ定期的に足を運んで息子と面会していたことや、息子が成長してからは日本に遊びに来て一緒に食事を囲んだエピソードを温かな口調で明かしています。また、オリビア氏も自著の中で布施氏への敬意を終生失っておらず、「アキラは素晴らしい父親であり、マックスに対して常に惜しみない愛情を注いでくれた」と感謝を記しています。
離婚という形を選び、物理的に何千キロも離れて暮らしながらも、互いを罵り合うことなく「子の幸福」を中心に据えた成熟した関係を維持し続けた点に、この家族の類まれな品格が見て取れます。