インターネット上のレビューや観光ブログを見ていると、「街中のビルに囲まれていて風情に欠ける」「階段を登るだけで境内は狭い」といった表層的な感想を目にすることがあります。しかし、これらは神社の本質を見落とした大きな誤解と言わざるを得ません。
宇都宮二荒山神社が鎮座する地は、古くは「荒山(あらやま)」と呼ばれた神体山(明神山)です。この山そのものが太古からの聖地であり、宇都宮という地名自体が「一之宮(いちのみや)」の転訛、あるいはこの神社を指す「現職の宮(うつのみや)」から名付けられたという説が有力視されています。つまり、神社が街の中にあるのではなく、神社を中心として周囲に宇都宮の都市が形成されていったという歴史的順序が存在します。
また、社殿の裏手に広がる木々の茂みや、境内の奥に静かにたたずむ摂社・末社には、表通りの喧騒が完全に遮断された濃厚な神気が漂っています。表舞台のきらびやかな授与所だけを見て帰ってしまうのは、極めてもったいない参拝方法です。特に、境内北側に位置する「荒神社」や「剣宮」は、知る人ぞ知る武運と厄断ちの強烈な結界スポットとして、古くからの熱心な信奉者たちに大切に守られ続けています。