自転車に対する社会の眼差しは、ここ数年で劇的な変化を遂げました。その転換点となったのが、2024年に公布され2026年に本格施行を迎えた改正道路交通法です。この法改正における最大のトピックは、これまで自動車やバイクにのみ適用されていた「青切符(反則金制度)」が自転車の違反行為にも導入された点にあります。
警察庁が公表した交通統計によると、自転車が関係する交通事故のうち、法令違反が絡む割合は依然として7割を超えて推移しています。警視庁関係者は取材に対し、「従来の自転車事故対策は、重大事故に対する赤切符(刑事罰手続き)か、実効性の乏しい口頭指導に二極化していた。青切符の導入は、グレーゾーンと見過ごされてきた危険走行に実効性を持たせる強力なブレーキになる」と現場の狙いを明かしています。
自転車二人乗りの根拠法となるのは、道路交通法第57条第2項です。同条文では「公安委員会が定めた乗車人員の制限を超えて車両を運転してはならない」と規定されており、委任を受けた各都道府県の公安委員会が具体的な制限事項を定めています。これに違反した場合、道路交通法第121条に基づき「2万円以下の罰金又は科料」が科される規定となっていましたが、青切符運用の定着に伴い、違反者には数千円から1万円弱程度の反則金納付通告が直接下される体制へと移行しました。現場の警察官が赤色灯を回して呼び止める姿は、もはや日常の風景となっています。