シエンタを購入して車中泊を楽しむ場合、「5人乗り(2列シート車)」を選ぶか「7人乗り(3列シート車)」を選ぶかが最大の分かれ道となります。日常でたまに多人数を乗せる可能性があるからと安易に7人乗りを選択すると、車中泊での快適性は大きく損なわれます。
5人乗り仕様(旧ファンベースの系譜を継ぐモデル)は、2列目シートが前方に沈み込むように倒れる「チルトダウン格納」を採用しています。これにより、荷室フロアからバックドア開口部まで、ほぼ段差のない広大なラゲージスペース(最大荷室長:約2,045mm)が瞬時に出現します。フロアの傾斜も約3〜5度程度と極めて緩やかで、薄手のマットを1枚敷くだけで十分実用的な寝床が完成します。
対して7人乗り仕様は、3列目シートを2列目シートの下に格納する「ダイブイン格納」機構を採用しています。この複雑なリンク機構のためにフロア面が高くなり、さらに2列目シートをタンブル(前方に跳ね上げ)させた状態ではフロア長が不足します。2列目をリクライニングさせて寝かせた場合、シートの背もたれと座面の間に高低差15cm〜17cmに及ぶ深い谷間と激しい凹凸が発生します。この段差を平らに整える作業は極めて難易度が高く、これが「体が痛くて一睡もできなかった」という悲鳴の主原因です。