羽生九段のタイトル戦キャリアは、強烈な個性と実力を持つライバルたちとの切磋琢磨の歴史でもあります。同世代の強豪が集う「羽生世代」をはじめ、数々のトップ棋士とタイトル戦の盤上でしのぎを削ってきました。
特に「名人戦」の舞台で激闘を繰り広げた森内俊之九段とは、タイトル戦で幾度も激突し、互いの棋風をぶつけ合いました。また、「光速の寄せ」で一時代を築いた谷川浩司十七世名人、独創的な序盤戦術で挑み続けた佐藤康光九段、そして竜王戦をはじめ数々のタイトル戦で名勝負を繰り広げた渡辺明九段など、各時代の頂点に立つ猛者たちとの対戦データは、そのまま現代将棋の発展史となっています。
ライバルたちが繰り出す最新戦法を真正面から受け止め、それを吸収して自らの進化の糧としてきたことこそ、羽生九段が長期にわたりトップに君臨し続けられた最大の要因です。