歌舞伎座や国立劇場、地方公演における観客の生の声(SNSの観劇レビューや劇評誌、ファンの投稿)を分析すると、ここ数年で四代目中村橋之助に対する見方が明確に変化していることが分かります。
かつては「芝翫の息子」「三田寛子の長男」という親の七光りで語られる場面が少なくありませんでした。しかし、浅草公会堂での新春浅草歌舞伎や、三兄弟で立ち上げた「神谷町小歌舞伎」での熱演を重ねるにつれ、観客からは「声の太さと太腿の安定感が父親譲りで素晴らしい」「立役としての見得の切れ味が群を抜いている」といった、純粋な技術と役者としての熱量を絶賛する声が圧倒的多数を占めるようになりました。
劇場の花道を駆け抜ける際の足拍子の力強さや、古典義太夫狂言における重厚な肚(はら)の据わり方は、同世代の若手俳優の中でも頭一つ抜けています。観劇歴40年を超える古参のファンからも「成駒屋の伝統である江戸歌舞伎の骨太さを、これほど実直に受け継いでいる若手は頼もしい」と太鼓判を押されており、劇場現場での評判は極めて堅実です。