クワガタ愛好家やブリーダーの間でも「最も見分けがつきにくい」と議論されるのがメスの判別です。メスにはオスのような特徴的な大アゴがないため、パッと見の印象だけで判断するとプロでも見誤るリスクがあります。メスを見分ける際は、以下の3つの観察ポイントをチェックします。
最大の識別基準となるのが前脚脛節(すね)の形状です。オオクワガタのメスは前脚が太く、ほぼ直線的に伸びています。これに対してヒラタクワガタのメスは、前脚の脛節が外側に向かってなだらかに湾曲し、先端部分が外側に広がっているという明確な構造差を持ちます。これはヒラタクワガタが朽ち木や樹皮の隙間を潜り抜ける生態に適応した形態です。
次に確認すべきは上翅の点刻列(てんこくれつ)です。オオクワガタのメスは、背中に小さな窪みが縦に規則正しく並んだ「点刻列」が非常にくっきりと現れ、肉眼でも筋状のラインが確認できます。一方、ヒラタクワガタのメスは点刻が浅く不鮮明で、上翅全体がまるでピアノの鍵盤のようにピカピカと強い光沢を放っています。
さらに体全体の厚みにも差があり、オオクワガタのメスは丸みを帯びて立体的なのに対し、ヒラタクワガタのメスは上下に薄く潰れたような平らなフォルムをしています。