ショートスリーパーは訓練でなれる?遺伝子の真実と潜む寿命リスク

ショートスリーパーは訓練でなれる?遺伝子の真実と潜む寿命リスク

ショートスリーパーは訓練でなれる?遺伝子の真実と潜む寿命リスクの疑問点について、最新情報を基に徹底解説します。

多くの人が抱く「ショートスリーパー なれるのか」という疑問に対し、睡眠医学が導き出した結論は極めて冷徹です。「後天的な努力や訓練によって本物のショートスリーパーになることは不可能」――これが、神経生理学とゲノム解析における確定的な共通認識となっています。

米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)のイン・フー・フー教授らの研究チームが特定した「DEC2遺伝子変異(p.Pro385Arg)」をはじめ、近年では「ADRB1」や「NPSR1」といった特定のショートスリーパー 遺伝子を持つ個体のみが、生理学的に短時間睡眠で健康を維持できる仕組みを持っています。この遺伝的変異を持つ人々は、睡眠中の脳内老廃物の代謝効率やシナプスの修復速度が常人の数倍速く、わずか4〜5時間の睡眠でもノンレム睡眠の深いステージを極めて効率的に完了します。

しかし、この遺伝子変異を生まれ持っている確率は、世界人口のわずか0.1%〜1%未満に過ぎません。医学的な根拠を持たない「ショートスリーパー 訓練法」や短眠セミナーを実践したところで、遺伝子の塩基配列が書き換わることはありません。睡眠欲求は食事や呼吸と同じく生命維持に直結する生得的欲求であり、根性論や習慣化で生理的必要量を減らすことは不可能なのです。

高橋 健太
著者

高橋 健太

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。