本作の主演を務めた妻夫木聡さんと玉木宏さんの共演は、平成日本映画史に残る奇跡的なキャスティングとして語り継がれています。物語の中心となる男子水泳部の面々は、撮影前から静岡県相良町(現・牧之原市)などで長期の泊まり込み合宿を敢行しました。
現場は完全な男子校状態であり、閉鎖的な合宿所での生活には独特の熱気とハプニングが満ちていました。玉木宏さんは後年、TBS系バラエティ番組『日曜日の初耳学』に出演した際、当時の共同生活を振り返り「男ばっかり集まって、ムラムラする時間もあった」と“若気の至り”をユーモア交じりに告白。血気盛んな20代前半の青年たちが一つ屋根の下で寝食を共にし、連日の極限練習によって精神的にも肉体的にも剥き出しの絆を築いていったことが窺えます。
妻夫木聡さんが演じた気弱なリーダー・鈴木と、玉木宏さん演じるお調子者の佐藤。役柄上の掛け合いはもちろん、カメラが回っていない時間でも互いの体を引き締め合い、時には弱音を吐きながら支え合った関係性が、スクリーンから溢れ出る圧倒的な青春のリアリティへと昇華されました。