番組全体が低水準で推移するなかでも、番組内の歌手別最高視聴率や、どの場面で数字が跳ね上がったのかを示す瞬間最高視聴率シーンの分析は、依然として業界内で最も注目される指標です。
過去数年のデータを紐解くと、突出した数字を記録するシーンには明確な共通項が存在します。それは「国民的認知度を持つベテランの生歌歌唱」と「サプライズ枠の登場」です。大トリを務めるMISIAや福山雅治といった圧倒的な歌唱力を誇る常連組、あるいは松任谷由実、サザンオールスターズ、玉置浩二といった特別企画枠のアーティストがマイクを握る瞬間、折れ線グラフは急激な右肩上がりを見せ、毎分視聴率が35%〜38%近くまで急浮上します。
対照的に、SNSで数十万件のトレンドを生むような人気若手アイドルや新進気鋭のネット発シンガーが出演する時間帯は、リアルタイムの世帯視聴率が一時的に沈み込む現象が見られます。「ネットでの話題性」と「テレビの世帯視聴率」の乖離が極めて激しく、どの歌手が実際のテレビ受像機の前で数字を動かしているのかが浮き彫りとなっています。