ブラックバスはなぜ特定外来種に?生態系への影響と規制の真相

ブラックバスはなぜ特定外来種に?生態系への影響と規制の真相

ブラックバスはなぜ特定外来種に?生態系への影響と規制の真相について押さえておきたい 事実を分かりやすく解説いたします。

日本最大の湖・琵琶湖を抱える滋賀県は、外来魚対策において世界でも類を見ない規模の事業を展開してきました。電気ショッカーボートによる捕獲、定置網(エリ漁)での一網打尽、釣り人から外来魚を回収する「回収ボックス・いけす」の設置など、多角的な防除作戦を20年以上継続しています。

滋賀県琵琶湖保全再生課の公表資料によると、ピーク時に数百トン単位に達していた外来魚の推計生息量は、粘り強い駆除事業によって着実に減少傾向を見せています。かつて姿を消しかけていたニゴロブナやホンモロコといった固有種の稚魚が、南湖の浅瀬で再び群れをなす姿が観察されるなど、確かな再生の兆候が確認されています。

同時に、駆除された膨大な魚を単に焼却・廃棄するのではなく、「資源としての食用活用」を模索する取り組みも進化してきました。

  • 高級白身魚としての再評価:ブラックバスは元来、北米でスズキの代替として重宝される淡水スズキです。皮目のぬめりさえ適切に処理すれば、身質はクセのない上質な白身であり、ムニエル、フライ、ポワレなどフレンチやイタリアンの食材として高いポテンシャルを持ちます。
  • 地域ブランド魚「湖島(ことう)バス」:滋賀県内では、下処理を施したフィレ肉が学校給食やホテルレストランに供給され、環境教育の一環としても親しまれています。
  • 堆肥・魚粉・ペットフード原料化:生魚を粉砕・発酵させた有機肥料や、アレルギーの少ないドッグフード原料としての流通ルートが確立されつつあります。

ただし、流通コストや加工の手間、供給量の不安定さが依然として課題であり、駆除費用を完全に商業ベースで回収するには至っていないのが現実です。

高橋 健太
著者

高橋 健太

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。