「文学館」と聞くと、静まり返った展示室に原稿用紙や初版本が並ぶ光景をイメージする方が多いかもしれません。しかし、高志の国文学館はその固定観念を心地よく覆してくれます。富山にある高志の国文学館の魅力とは、ジャンルの垣根を取り払った圧倒的な包摂力と、作品の息遣いが伝わるダイナミックな見せ方にあります。
常設展示室では、大伴家持らの万葉文学から始まり、堀田善衞、源氏鶏太、辺見じゅん、さらには藤子・F・不二雄、藤子不二雄Ⓐをはじめとする富山出身の巨匠たちのマンガカルチャーまで、驚くほど多彩なコレクションが展開されています。映像や音声を巧みに組み合わせた展示演出により、本を普段あまり読まない世代であっても自然と物語の世界へ引き込まれます。
そして来館者のリピートを促す最大の原動力となっているのが、季節ごとに趣向を凝らして開催される話題の企画展です。文学作家の回顧展から絵本原画展、気鋭のアニメーション作家を特集した展覧会まで、独自の切り口で構成された展示は全国の文学ファンからも注目を集めています。言葉とビジュアルが融合した展示空間を巡ることで、日常では味わえない深い感動と新たな知的好奇心が呼び覚まされます。