2016年2月2日午後8時48分、東京都港区東麻布の自宅ウィークリーマンションに警視庁組織犯罪対策第5課(組対5課)の捜査員が家宅捜索に入りました。捜査員が踏み込んだ際、清原氏は居間のテーブルに向かい、注射器を握りしめていたと報じられています。室内からは覚醒剤約0.1グラムのほか、注射器3本、パイプなどが押収され、その場で現行犯逮捕となりました。尿検査でも陽性反応が確認され、のちに覚醒剤の使用容疑でも再逮捕されています。
この清原和博の逮捕の理由として、本人が後に手記や法廷で明かしたのは、2008年の現役引退後に襲いかかった「虚無感」と「孤独」でした。グラウンドで歓声を浴び続けることでしか自己の存在価値を実感できなかった男が、ユニフォームを脱いだ瞬間に自らの居場所を見失ったのです。さらにタレント活動や解説者としてのプレッシャー、膝の激痛、そして私生活での離婚が重なり、心の隙間を埋めるように薬物に手を染めていきました。
事件の発端を遡ると、2014年3月の『週刊文春』によるスクープ報道に行き着きます。同誌は「清原和博 覚醒剤使用疑惑で緊急入院」と題した記事を掲載。当時、清原氏側は事実無根として名誉毀損による訴訟を辞さない構えを見せ、体調不良による糖尿病の治療であると釈明しました。しかし、この週刊文春の報道をきっかけに警察当局は水面下で本格的な内偵捜査に着手。約1年以上の徹底した追尾と行動確認を経て、現行犯逮捕という決定的な瞬間を迎えることになりました。