東日本大震災、熊本地震、そして2024年の能登半島地震に至るまで、近年の大規模災害において予備自衛官の招集実績は着実に積み重なっています。防衛省令に基づき発令される予備自衛官災害派遣では、常備自衛官が孤立集落の捜索救助や瓦礫撤去などの最前線に専念できるよう、駐屯地機能の維持や生活支援任務を一手に引き受けます。
ある民間IT企業勤務の30代予備自衛官(元一般公募補出身)は、被災地派遣時の手記で次のように現場の過酷さを語っています。
「招集メールが着信した瞬間、日常のオフィス業務から一変して国防の現場へ身を投じる重圧があった。現地駐屯地では給水支援の給水車誘導や、避難所へ届ける支援物資の仕分け・荷役を連日行った。泥だらけの常備部隊員が前線から戻ってきた際、温かい食事と清潔な宿営環境を整えて迎えるのが私たちの使命だった。被災者から『ありがとう』と声をかけられたとき、自分の存在理由を実感した」
災害招集に応じた期間中は、本業の給与とは別に「災害招集手当」が支給されます。金額は階級に応じた基本給ベースの日額計算となり、食事や宿泊場所は自衛隊側から提供されます。しかし、真冬の停電地域や物資の滞る劣悪な環境下での活動を強いられることも多く、単なるボランティア気分では到底耐えられない強固な精神力が求められます。