伊太祁曽神社のご利益として真っ先に挙げられるのが「厄難除け」と「再生・再起祈願」です。この信仰が全国的な評判を集める最大の理由は、主祭神である五十猛命(木の神様)が果たした神話上の決定的な役割にあります。
『古事記』において、兄弟神たちから度重なる迫害を受け、全身に大火傷を負わされるなど絶体絶命の危機に瀕した大国主神(オオクニヌシノカミ)は、母神の導きで木の国(紀伊国)の五十猛命のもとへ逃れます。このとき五十猛命は、追手から逃れる大国主神を「木の股」から異界へと逃がし、見事にその命を救い出しました。その後、大国主神は根の堅洲国を経て逞しい英雄神へと生まれ変わり、国造りの大業を成し遂げます。
この神話的背景から、伊太祁曽神社は「死の淵から蘇らせる圧倒的な厄落としの力」と「人生の再出発を後押しする再生の御神徳」を宿す場として特別視されてきました。現代でも、単なる厄年の厄払いに限らず、深刻な病気平癒、事業の立て直し、対人関係の破綻からの再出発を願う参拝者が全国各地から集まり続けています。