ホラージャンルの金字塔『リング』が社会現象を巻き起こしていた1999年、フジテレビ系列の木曜劇場枠で放送されたのが連続ドラマ『リング〜最終章〜』、そして同年に同枠で連続放送された続編『らせん』です。柳葉敏郎や長瀬智也ら豪華キャストが並ぶ中、物語の核心である怨霊・山村貞子を演じたのが当時20代後半の木村多江でした。
当時の視聴者に走った衝撃は凄まじいものでした。井戸から這い出る不気味なカットだけでなく、生前の美しくも妖しい劇団員としての貞子、白ずくめの衣装で静かに佇む姿など、恐怖と美しさが同居する妖艶な存在として描かれたのです。劇中で見せた狂気を孕んだ眼差しと、指先ひとつまで計算された不穏な動きは、深夜帯ではなくゴールデンタイムのお茶の間を凍りつかせました。
現在でこそ「木村多江=上品で芯のある大人の女性」というパブリックイメージが定着していますが、当時のテレビ誌やドラマファンの間では「あの美しくも恐ろしい貞子は一体誰なのか」と問い合わせが殺到するほど大きな話題となりました。