「一度浸かれば違いがわかる」と評される君田温泉の最大の強みは、類まれな個性を誇るその泉質にあります。温泉分析書によると、泉質名は「含二酸化炭素-ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉」。いわゆる重曹泉に分類されるこの湯は、皮膚の表面を柔らかくし、余分な皮脂や古い角質を洗い流す清浄作用を持ちます。古くから「清涼の湯」「美肌の湯」と称される所以です。
さらに注目すべきは、湯の中に溶け込んでいる炭酸ガスと塩化物成分の相互作用です。炭酸ガスが末梢血管を拡張させて全身の血行を促進し、同時に塩化物イオンが皮膚表面に薄い皮膜を形成して水分の蒸発を防ぎます。入浴中に感じる独特のとろみのある肌触りは、湯上がり後には驚くほどのしっとり感へと変化します。「石鹸で全身を磨き上げたような爽快感があるのに、湯上がりの肌がつっぱらない」という利用者の証言は、まさにこの成分バランスがもたらす恩恵です。
浴場には開放的な大浴場に加え、君田の澄んだ空気を感じられる露天風呂が整備されています。外気に触れながらぬるめの湯に身を委ねれば、日常の喧騒で強張った神経が緩やかに解きほぐされていく感覚を覚えるはずです。