日本には古くから「お盆を過ぎれば風が変わる」という言葉があります。しかし、現代の気象状況においてはこの経験則が完全に崩壊しています。その残暑厳しい決定的な理由は、日本近海の海水温の異常な高さに隠されています。
海上保安庁や気象庁の海洋観測船データによると、日本近海の海面水温は平年値に比べて2〜3℃高い状態が春先から継続しています。海水は空気と比べて比熱(温まりにくく冷めにくい性質)が圧倒的に大きいため、一度蓄積された熱エネルギーは秋になっても簡単には冷めません。
高海水温の海域を吹き抜けてくる風は、冷えるどころか大量の水蒸気(潜熱)を抱え込んで日本列島へ流れ込み続けます。その結果、陸地が冷えにくくなり、台風が接近した際にも勢力を弱めないまま北上して熱帯の空気を本州へ送り込みます。暦の上での「立秋(8月7日頃)」や「お盆明け」を過ぎても気温が下がらないのは、周囲の海そのものが巨大な温水プールと化しているからに他なりません。