個人投資家が日々集うSNSや投資掲示板では、引け後から夜間にかけてさまざまな銘柄の買い煽りや悲観論が飛び交います。しかし、株式市場におけるネットの反応をそのまま鵜呑みにして翌朝成行買いを入れる行為は、機関投資家やデイトレード勢の「カモ」になるリスクを極めて高めます。
行動経済学における「確証バイアス」が示す通り、人間は自分が保有している銘柄や気になっている銘柄について、肯定的な情報ばかりを無意識に集めてしまう傾向があります。SNSで特定の小型株がトレンド入りし、「明日はストップ高確定」といった威勢のいい投稿が何百件も並んでいるとき、水面下では別の冷徹な現実が進行しています。大口の投資家や初期に安値で仕込んでいたプレイヤーが、個人の買い気配を利用して保有株を売り抜ける「イグジットの機会」を伺っているのです。
取材現場でベテランファンドマネージャーが口を揃えるのは、「ネット上で個人の熱狂が最高潮に達した瞬間こそが、需給的な天井であるケースが8割を超える」という事実です。翌朝の寄り付き気配が異常に切り上がったものの、寄り付き直後に大量の成行売りが降ってきて大陰線を形成するパターンは、まさにこの心理的罠が具現化した典型例といえます。