南海トラフ巨大地震の発生時期を読み解く最大の鍵は、過去の発生周期と歴史の綿密な記録にあります。駿河湾から日向灘沖にかけて伸びるプレート境界では、概ね100年から150年の間隔でM8〜9クラスの巨大地震が規則的に繰り返されてきました。
日本最古級の記録である684年の「白鳳地震」以降、1707年の「宝永地震」(富士山噴火を誘発したとされるM8.6級)、1854年の「安政東海地震・安政南海地震」、そして前回の1944年「昭和東南海地震」(M7.9)および1946年「昭和南海地震」(M8.0)に至るまで、周期的な破壊が続いています。昭和南海地震の発生からすでに約80年が経過しており、サイクル理論上、次の破壊に向けたエネルギーの蓄積はすでに最終段階へと突入しています。
京都大学名誉教授の鎌田浩毅氏をはじめとする地球科学者らは、複数の論壇や学術講演会において「プレートの沈み込み速度と過去の歪み蓄積量から逆算すると、2030年代に必ず発生する南海トラフ巨大地震に向けたカウントダウンは避けられない」と繰り返し指摘しています。歴史の教訓が教えるタイムリミットは、私たちが想像するよりもはるかに間近に迫っています。